コーヒーとサトウキビ畑・平地の町Tuluaまで

Medellin~Tuluá
7/12~7/16 (418~422days)

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Cartagenaに引き続き、再び前日に濱さんを見送った後、この日私もMedellinを発つ。
濱さんは首都のBogota方面へ、私はBogotaへ寄らず真っすぐ南下するルートを取る。
私のペースがよほど遅くない限りは、当分再会することはないだろう。
会えるとすれば、次はペルーかチリか・・・といったところだろうか。
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Medellinは流石に大都市ということもあり、脱出に一苦労する。
道自体は高速道路に乗りさえすれば一本道で郊外に出ることができるのだが、車通りは多いわ路肩は無いわで視覚・聴覚に全神経を集中させて一気に走り抜けなければならない。
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15キロ程走れば路肩が出てきてゆっくりすることができるのだが、その頃には疲労感がどっかりきており、更に前方にはこれから越えるべき山が見えて更にげっそりしてしまう。
Medellinは山に四方を囲まれた盆地に位置しているため、どこの方角から抜けるにしても山越えは避けて通る事ができないのだ。
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道は緩やかに上りの曲線を描き、標高を上げていく。
Medellinに到着する手前、都市の北側の坂道もそうであったが、この南側の坂道も同様にロードバイカー達の格好のトレーニングコースとなっているようで、前から後ろからどんどんと通り過ぎていく。

上り始めて5キロ程のところに少し大きめの町Caldasがあり、そこの商店でコーラとエンパナーダ(日本のビーフコロッケとほとんど同じ食べ物)を食べてここから続く上り坂に備える。
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Caldasを抜けるとSanta Barbaraという頂上の町までの30キロ程、終始上り坂が続くこととなる。
しかし走っている私はそうなることとは梅雨知らず、「さっさと上り坂のピークが終わってくれないかなぁ」と思いながら黙々と上っていく。
紙地図上では、Medellinを南下して数10キロ進めば標高ががくんと下がり、低い平地に出ることになっている。

紙地図の場合、等高線が引かれて標高によって色分けがなされているのだが、大体1000メートルおきに色が変化する。
これが意味することとは、200~1000メートルは地図上同じ標高であり、1000~2000メートル、2000~3000メートルも同じ理屈で地図上では同じ標高なのである。

Medellinより南、平地までは1000~2000メートルを表す黄色で塗られている。
Medellinから出発する時、Google Mapで標高確認は特に行わず「Medellinが標高1300メートルだから、たかだか1700メートルくらいまで登るだけでしょう」と高を括っていた。
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しかし進めど進めど坂道は手を緩めてくれない。
正午前頃、、察しの悪い私もようやく「これまだまだ上るんじゃないか?」と思い始め、些か早めだが道路脇に見つけたレストランで昼食を取ることにした。
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ちゃちゃっと平らげ、この日の後半戦をスタートさせたのだが、「午前中の上りはほんの準備運動さ!」という程に傾斜は角度を増し、えげつないスネークラインが何度も何度も現れる。
「こんなに上るなんて話に聞いてませんで・・・」と誰にも相手にされない文句を心の中でブツブツ言いながら、汗だくになって進んで行く。
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その後もこの道路標識の蛇の様に、どこまでも山の上まで続いていく。
他の自転車旅行者はどうか分からないが、よっぽど退屈だったりしんどい坂道では、私の場合風景そっちのけでどうでもいいことや下らないことを考えたりする。
そうすると思考に集中が集まって一時でも疲れを忘れることができる。

今回はこの蛇の標識で一時間は時間を潰せた。
この一時間、「坂を上る車が窓を開けたまま走り、街路樹から落ちた蛇がその窓からスポッと車内に入り込んで大パニックになる」という私の妄想内で、一体何台の車がクラッシュしただろうか・・・。
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そんな蛇標識のおかげか、気付けば標高も2300メートルに達し、辺りの風景も山深い美しいものとなってきた。
ピークもこの付近の様で、尾根を走りながらこの景色をゆっくり堪能する。
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尾根伝いに多少のアップダウンを繰り返しつつ、峠の頂上にあるSanta Barbaraの町を通過。
ここを過ぎれば一気に急降下。上りと同様にスネークラインを幾つも越えてグングン標高を下げていく。
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標高はあっという間に1000メートルまで落ち、見える風景もここまで下れば変わる物で、樹に覆いかぶされた林道を進んで行く。
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坂道を下り切ったところ、標高にして700メートルに位置する川沿いの町、La Pintadaでこの日は走行を終了した。
それにしても一日に1000メートル以上上り、1600メートルも下るのは初めての経験ではないだろうか。
ただ、そこまで疲労困憊しているわけでもなく、良い景色から一気に駆け下りるダウンヒルを楽しめたため、心地よい疲労感を感じたまま一日を終えた。
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前日La Pintadaに入った時、川に掛かった橋を渡ったのだが、その川に沿って渓谷の中を進んで行く。
標高が下がったことで気温も上がるかと思ったが、川沿いで道を覆う緑も豊かなため、木陰の中を走る事ができて心地よい。
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それにしてもこの道路は工事が多い。
5分程止められ、いざ「進め」になっても片側通行であり、大体自転車が通過する前に反対車線の規制が解かれるため恐怖でしかない。
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昼食を取りしばらく走った所、前方反対車線からゆっくりとこちら側に近づいてくる原付大の物体が2台。
荷物を満載した自転車は原付と違ってゆっくりであり、中々距離が縮まらないため「あ、あれは原付じゃなくて自転車旅行者だな」と遠目に見てもすぐに分かる。

彼等は私が目指す世界最南端の町ウシュアイアから出発し、アラスカへと向かう北上組。
ウシュアイアからここまで7か月を掛けてきたそうだ。
大体2月くらいにウシュアイアには到着したいと考えていたため、彼等の言う7か月は妥当な期間だろう。

会話がスペイン語で全て理解できなかったのだが、私が荷物に括り付けている犬叩き棒(追いかけてくる犬をこれでぶっ叩きます。)を見て「ペルーの犬は凶暴だからそれでぶっ叩いてやれ!」と言っていたため、よっぽど凶暴なのだろう。
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彼等はこの先50キロの場所にあるガソリンスタンド併設のHospedaje(安ホテル)からこの日出発したとのことで、私にとっても走行距離90キロ地点に当たるはずなので、この日はそこを目指すことにした。

残り50キロというと平地のペースで大体3時間半もあれば十分辿り着けるのだが、彼等と別れてから道は細かいアップダウンの繰り返しと片側規制の工事区間がひたすらに続き、ペースが思ったように上がらない。
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100メートル上がってはまた100メートルを下がり、また上がっては・・・の繰り返し。
標高的にはスタート地点から200メートル上がった程度の800~900メートルをうろついているに過ぎないのだが、体感的にかなりの獲得標高になっているはずで、1000メートル弱は獲得していたのではないか。

後半にはハンガーノック(空腹によるエネルギー不足で、体が動かなくなる症状)になってしまい、持ち合わせの黒糖を齧ってなんとか空腹を誤魔化す。

90キロ走ったのだが、言われていたガソリンスタンドもHospedajeも一向に見当たらない。
フラフラの状態で工事現場のお兄さんに「この近くにホテルはないの?」と尋ねると、「ここから1時間走ればあるよ」という答え。
後1時間・・・だとすると15キロはあるのか?正直体力的にかなり厳しい。

「そうか、ありがとう」と力なく礼を言って去ろうとすると、「ちょっと待て」と言い、クーラーボックスの中から良く冷えた袋水を2個持たせてくれた。
かなりの疲弊状態で気力も萎えていたのだが、彼の優しさと、冷えた水が喉を通り、胃に辿り着いて熱く火照った体に一時の涼しさを与えてくれたことが、少しだけ私を元気づけてくれた。

実際にはここから一時間と掛からずに5キロ程走った所にガソリンスタンドがあり、やはりHospedajeがそこに併設されていた。
かなり疲弊していたこともあり、ガソリンスタンド前のレストランで夕食を取った後は泥の様に眠り込んだ。
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走り始めから右ひざの裏筋が痛い。どうやら筋を伸ばしてしまったようだ。
体も疲弊しているのだが、どうやら精神的にもあまり万全とは言えないようで、この日を境に「走っていて面白くないな」という、Popayanでこの記事を書いている今もなお続いている無気力状態が始まったように思う。

Medellin手前のアンデス山脈の素晴らしい景色と見比べてしまい、物足りなさを感じているのか、それとも知らない内に精神をかなり疲弊してしまっていたのか・・・。
そんな満身創痍の私など当然お構いないに、道はどんどんと標高を上げていく。
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標高が上がり、しばらく走ると今まで走ってきた道同様に山が凹凸上に入り組む風景へとなってきたのだが、今までと違うのはその斜面にびっしりとコーヒーの樹が植えられている点だろうか。

記事作成段階で調べて知ったのだが、私がこの日走ったルートというのは世界一のコーヒー生産量を誇るコロンビアにおいて、同国北東部と合わせて最重要地区らしく、世界遺産として認定されている。
生産拠点都市、また観光地としてはManizales、ArmeniaそしてPereiraが重要都市らしいのだが、前2つは前日に泊まったガソリンスタンドからの分岐点で違う方向に行き、Pereiraはこの日に宿泊したのだがそのことを知らず特に観光しなかった。
今になって若干後悔している。
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コーヒー農園も多いがこの辺りは牧草地も多く、馬や牛が放牧されているのをよく見かける。
豚はとんと見ないのだが、路肩で売っているチョリソーは豚肉であり、コロンビアではこのチョリソーがまた美味しいのである。
牛・鶏・豚肉の中でなら、コロンビアでは豚肉が一番美味しいと個人的には思う。

この日も露店から漂うチョリソーを焼く香ばしい匂いに釣られ、昼飯時にもまだまだ届かぬ内に一本買ってしまった。
こういう露店は日本のお祭りの時の出店を思い出して、買わない時でもついつい気になってしまう。
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チョリソーで精を付けたはいい物の、上り坂は手を緩めてくれない。
標高は1000メートルを優に超え、1700メートルまで上ってしまった。
「もうこれ半分アンデス越えやんけ!」とこの日の日記には書いてあるのだが、「半分もなにも、そらここら一体全部アンデス山脈だろうよ」とこの記事を書くために見直して自分自身に突っ込んでしまった。
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ピークの1700メートルから少し下った所、視界が開けた高台があり、県都であるPereiraの都市が眼下に広がっている。
この日はまだ30キロ程度しか走っていなかったのだが、これ以上進むやる気が出ず、投宿するつもりで高台からダウンヒルを下り切ってPereiraへと入った。

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郊外にはホテルが立ち並ぶエリアがあったのだが、中心部に近づくに連れてホテルが現れなくなった。
大都市だけあって車通りも多く、人の数も多く、満載の荷物を背負う自転車旅行者は多くの目に曝されることになり、これは安全上よくない状況である。

焦りもあり、近くにいた路上駐車場の車を監視している親父さんに「近くにホテルあるか知らない?」と聞くと、彼はわざわざ仕事の手を止め、私を誘導してくれた。
彼に付いて自転車を押していくと、恐らく彼の知り合いがオーナーをしているのだろう、建物の2階にあるResidencia(ホテルの数ランク下の安宿)に連れて行ってくれた。
Wifiは無いが、値段も安くなにより彼の紹介もあったため、この日はここに泊まることにした。

更に彼は荷物を含めて50キロ超になる自転車を2階まで運ぶのを手伝ってくれ、「それじゃ」と言い仕事に戻っていった。
本当にコロンビア人は親切だと、毎度のことながら感謝の気持ちでいっぱいである。

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近場にあったカフェで翌日のPereira脱出経路をGoogle Mapで確認し、中心部をぶらついた後は部屋でゆっくりと過ごし、翌日までに体力と精神が回復するように努めた。

なお、前述のようにこのPereiraがコーヒー生産の一大拠点とは知らず、チェーン店のようなカフェに入ってしまったのだが、今にして思えば確かに美味しかったように思う。と、都合よく解釈することにしている。

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前日に早めに切り上げたのが功を奏したのか、体力面に関してはほぼ万全の状態にまで戻り、走りだすことができた。

Pereiraの郊外ではマウンテンバイクで走っていたバイカーに話しかけられ、「これ持って行け!」と、彼が付けていた防塵用のスカーフをプレゼントされた。
自分の持ち物を他人に上げることなど中々できる行動ではない。
もちろん今までどの国でもたくさんの親切を受けてきたのだが、ここまで心づくしを受けたのはカナダ・メキシコ以来ではないだろうか。

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Pereiraを抜けると隣町のCartagoまで一気にストンと標高を落とす。
地図上での表現で言うと、コロンビアの北から南の端まで走るアンデス山脈にヒビが入ったような箇所があり、その区間は低標高の平地になっている。
それがちょうどこのCartagoから始めるSantander de Quilichaoまでの250キロ区間であり、私にとっては久しぶりの平地走行となる。

山脈の間の平地であり、左右は山に挟まれている。
走りながら「下から見る山も中々いいもんだな」と思いながらペダルを漕ぐ。
道は大きな路肩を持っていることに加えて若干追い風ということもあり、スピードも楽々時速20キロを越える。
それが嬉しく、ペダルを漕ぐ足にも力が入ってガンガン飛ばしていく。
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平地にはサトウキビ農園が広がり、それらと空の青と背後の山の緑とが成すグラデーションが美しい。
やはり見える風景が変わるとそれだけで走っていて楽しい。
この時は、どちらかというと風景よりも走っているスピード感の方を楽しんでいたのだが。
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収穫したサトウキビを運ぶためだろうか、線路が畑沿いに敷かれている。
鉄道は見なかったが、今現在は使われていないのだろうか。
その代わりに荷台を4連結ほどもさせた大きなトラックが、サトウキビをそれぞれに満載して何台も何台も通り過ぎていく。
余りにも積みすぎたのか、タイヤが故障する始末。
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途中、La Victoriaという町を通過したのだが、路肩に「Vino y Jugo de Uva(ブドウのワインとジュース)」という看板を出した露店がいくつか並んでいた。
コロンビアの亜熱帯気候からは想像していなかったため意外だったのだが、どうやらこの付近ではブドウの栽培が盛んな様で、町の入り口には「ブドウ国立公園」という標識が立てられていた。

一つの露店に止まり、ブドウジュースを一つ頼んでみた。
甘味は若干弱いが、程よい酸味があり後味もすっきりして美味しい。
コロンビアのブドウ、おススメです。
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この日は結局120キロ程走り、Tuluá という街に15時頃到着。
中央広場の大聖堂前のホテルに投宿した。
このホテルが綺麗で部屋も広く気に入ったため、連泊することにした。

・・・というのは体のいい自分への言い訳であり、到着した時点で翌日に走るつもりは全くない程に、自転車を走らせることへのモチベーションが上がってこないことが一番の理由だ。
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とはいえ、Tuluaは中規模程度の街で,特に観光地でもなく見どころもないのだが、騒がしいわけでもなく危険な雰囲気もないため、快適に過ごすことができた。
これでやる気も戻ってくれればいいのだが・・・。
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(走行ルート:Medellin→La Pintada→Manizales西10キロ→Pereira→Tuluá)

コメント

  1. 久々にブログ拝見したら…モチベーション下がってるんですか?(^^;
    これ書いてるの7月30日だからもう上がってますかね?走る気持ち?
    コーヒーいいですね!そう言えばコーヒーミル…旅のお供には持ってきてないかな(笑)
    チョリソーって辛いんですか?

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