【世界遺産】憧れの地・Tikalへ

Yaxha~Tikal~San Benito
3/20~3/22 (304~306days)
Yaxhaでキャンプをした私と台湾人チャリダーのChungとEnidは、次の目的地であるTikalへ向けて出発した。
私にとってTikalとは、この旅行の出発前から特別な存在であった。
馬鹿の一つ覚えの様に繰り返しの紹介になるが、自転車旅行記の名著「行かずに死ねるか」の中で石田ゆうすけ氏がTikalを「世界で一番美しい遺跡である」と評していたのだ。
奥深くまで続くジャングルと、そのジャングルの樹海の中から生えるかのように聳え立つピラミッドの数々・・・
20歳の時にこの本を読んだ私は、それから現在に至るまでの8年間、ずっとTikalを訪れることを夢見ていた。
そういうわけで、私はグアテマラに入国した段階で非常に興奮していた。
「憧れのTikalを遂に見ることができる」
その一心で、Tikal手前から続く急勾配のアップダウンもあまり苦にせずに走ることができた。
入園する前から我々の頭上には、ホエザルたちの遠吠えが無数に降り注いでいた。
そして路肩にある標識には「ジャガー出没注意」の看板。
私の期待値は上がる一方であった。
夕方16時頃入り口ゲートに辿り着いた我々は、入場料を支払い、遂にTikalへたどり着いた。
しかし私はどうしてもTikalのピラミッドからサンライズ、日の出が見たかったため、ChungとEnidに翌日早朝に遺跡へ向かうことを提案した。
彼等もそれに賛同してくれ、この日我々はTikal遺跡脇のジャングルの中にテントを張り、一夜を過ごした。
翌日、まだ真っ暗な中我々はテントを撤収し、遺跡の中へと歩き出した。
辺りは当然真っ暗な中、ヘッドライトの灯りを頼りに進んで行く。
日の出前、うっすらと空が明るくなり始めた頃に、我々はⅣ号ピラミッドへとたどり着いた。
ピラミッドの上からはどこまでも広がるジャングルの樹海が広がり、3つのピラミッドがそこから頭を覗かせている。
我々の他にも恐らくツアーでやってきた観光客が、日の出を待ち構えていた。
30分程待っただろうか。
正面の奥の方に見える山脈から、徐々に太陽が顔を現し始めた。
太陽は初めの内は橙色に、そして徐々に黄金色へとジャングルを染め始めた。
まさに一日の始まりを感じる光景であった。
Tikalはとても広く、深いジャングルの中を歩く必要がある。
道中には鹿やキツネの様な動物、ホエザルが姿を現す。
そうした野生動物と、ジャングルの中に存在しているピラミッドとが共存していることに、当然と言えばそうなのだが、この遺跡が当の昔に失われた文明であることを実感する。
遺跡を見終わった後、我々は再度来た道を戻り、San BenitoにあるWarm Shower のホストMemoの家へ
とまた戻ってきた。
8年間私が思い描いていたTikalと現実のTikalには少々ギャップはあったが、私の中では一つの区切りとなる特別な場所となったことに間違いはない。
そして一日の休養日を取りつつ、次なる目的地であるAntiguaへのルートを計画した。
その計画したルートが地獄であることも、その時は知らずに・・・
(走行ルート:Yaxha→Tikal→San Benito)
朝陽も大自然の中では特別な思いがあるやろね。
雨は降らないの?