マヤ遺跡Comalcalco探訪&Cunduacanで教師体験

Peubla~Cunduacan
2/4~2/11 (260~267days)

2/4
Pueblaでお世話になったMariaの家族と別れの言葉を交わす。
彼等が歌ってくれた応援の歌に背中を押され、出発する。
出発の時、「My house is your house. You can back to Mexico(私たちの家はあなたの家。また戻ってきてね)」と言ってくれた。
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快晴の中、車通りの間をすり抜けつつ、Puebla市街地を抜ける。
市街地を抜ければ、道は下り坂となり、時速20キロ程ですいすいと進む。
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が、夕方以降は雲行きが怪しくなり、小雨が降り出した。
下り坂も終え、峠に再び差し掛かってきていたため、道路の下に避難し、そのままここで野宿した。
人里離れているため軍隊の演習場があるのだろうか、夜通し砲弾の発射音のような重く響く音が鳴り続いていた。
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2/5

朝起きてみると、昨日の雲行きが嘘のように晴れ渡り、雲一つない青空が広がっていた。

走り始めてすぐに、大きな美しい山が眼前に現れる。
標高5,636メートルのオリサバ山。(Pico de Orizaba)
オリサバ山はメキシコで一番標高の高い山だ。

しばらくオリサバ山を正面に見ながら走る。
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その後は再び山道の中に入り、オリサバ山は姿を隠してしまった。
長い下り坂が始まり、遥か眼下に集落が、まるで模型の様に小さく見える。
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曲がりくねった道を下り、一つのカーブを曲がった先に、オリサバ山が再びドンっと現れる。
ここから見えるオリサバ山はまるで富士山の様で、下り坂なのに上を見上げて見とれながら走る。
メキシコに入国して2か月超。今まで走った中で、ここがメキシコで最も美しい道だと思う。
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正面を見て走っていたオリサバ山は1、2時間程で背中側に回り、見えなくなってしまった。
後ろ髪を引かれる思いで坂道を滑り落ちる様に下っていく。
あっという間に標高2000メートルから100メートル台まできてしまった。
この日はLa Tinajaという小さな集落のホテルで投宿。

2/6

Mexico CityやPueblaでの厳しい寒さの朝が嘘だったかのように、この日は朝から汗が流れ落ちる程に暑い。
日差しは強くて蒸し暑く、日本の5月頃の気候によく似ているだろうか。

走り始めて10分もしない内にすぐに後輪がパンク。
おかしいと思ってタイヤを見てみると、スポーク(タイヤの骨組み)が一本折れている。
予備スポークは持っているが、作業器具を持っていない。このまま行くしかない。

が、このまま走ったとてこの先、こんなところに自転車屋などあるのだろうか?
目の前には今まで走ってきた景色とは全くの別世界が広がっている。
昨日まで走ってきた山中から一転、辺りはジャングルで囲まれている。
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ずっとずっと、延々とこの景色が続く。
たまに川が現れる以外は、ひたすらにジャングルの中を走り続ける。

夕方16時頃、メイン道路を外れ、「この先Cosamaloapan」という標識に従って、狭い道路を走る。
本当にこの先に街が?と疑う程に、目の前にはジャングルしか見えない。
が、しばらく走ると家が立ち並ぶエリアに到着した。
しかもどうやら結構大きな街らしい。中心部へ行くと、立派な教会がある。

教会近くのホテルに投宿し、「自転車屋はある?」と聞くと、「マーケットの方にあるんじゃないか?」とのこと。
さっそくマーケットに向かう。
町の中心部全体がマーケットになっているようで、人が多く、活気付いている。

しかし、誰に聞いても自転車屋の場所がよく分からず、30分程マーケットを彷徨う。
5、6人に聞いただろうか、「あぁ、自転車のメカニックならこっちだよ」と明確な答えをくれる人が現れた。
彼の指さす先はマーケットの更に奥で、自転車を押して果物露店や衣服露店の脇を抜ける。

マーケットの最深部は、雰囲気で言うと日本の高架下の商店街に近く、薄暗い。
色んな商店が並んでいるのだが、その中に、車一台が入るくらいのガレージみたいなスペースがあった。
最初は「ゴミ捨て場か?」と思った程に汚く、素通りしようとしたのだが、中におっさん一人と、自転車の部品が確かにおいてある。

「え、ここなの・・・」

ただのガラクタを拾い集めただけの、ジャンク屋なのではないか。
一応、「予備スポークは持っているから、交換してくれないか?」と聞くと、彼は「できる」という。
確かに、自転車メカニックらしい。
もっと大きい街まで行けばまともな自転車屋があるかもしれないが、この先数百キロだ。
ここで対処できるならしてしまいたい。不安ながら、彼にお願いしてみた。
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後輪を外し、タイヤとチューブを外すところまではスムーズ。よしよし、順調じゃないか。
後はスプロケット(タイヤのギヤ・歯車)を外してスポークを差し替えて完了・・・
なのだが、どうやらスプロケット外しを持ってないらしい。
するとスプロケットを巨大なペンチで挟み、強引に外そうとする。ひっくり返りそうになる僕。

(おいおいおい!大丈夫か!)

強引に外そうとする姿を、半ば失神寸前になりつつ見守る。
5分程の格闘の後、スプロケットは外すことができた。
その後の作業は非常にスムーズで、骨董品のように古いホイール振れ取り機で、丁寧にホイールのズレを取ってくれた。

「完璧だろう?この振れ取り機、日本製なんだぜ」
誇らしげに彼が見せてくれた錆付いた器具には、確かにMade in Japanの刻印があった。
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2/7~2/9

景色は相変わらずジャングルと沼地と川。
道は大きく長いアップダウンがひたすらに続く。
まるで退屈な映画を見ているかのように、イライラしながら走る。
どうせなら、ガツンと大きい坂道を登って、その後ペダルを漕ぐ必要が無いくらい長い坂道を下りたい。
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小さい町でホテルに泊まったり、ガソリンスタンドのPemexで野宿させてもらいながら進んで行く。
夕暮れ時のジャングルは、不思議な雰囲気があって結構好きだ。
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そして2/9、夕方頃にCunduacanという町に到着。
CunduacanではGstavo一家にお世話になった。
GstavoはPueblaでお世話になったMariaの夫、Ithzelの従兄にあたり、非常によくしてもらった。
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Cunduacanでは3泊し、ある日には近くにあるマヤ文明の遺跡に連れて行ってもらった。

マヤ遺跡・Comalcalco
Comalcalcoより西にマヤ文明の遺跡は発見されておらず、ここComalcalcoが最西のマヤ文明都市らしい。
年代は8世紀頃、とのこと。
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Templo Ⅰ
Comalcalco遺跡の中で最も大きいピラミッド。
雨乞いをこの神殿で行っていたらしい。
ピラミッドの前で手を叩くと、音がピラミッドに反射して跳ね返ってくる。
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Comalcalcoの特徴として、建造物がレンガによって造られていることが挙げられる。
海が近いことも関係しているのか、基礎には貝殻も混ぜられている。
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また、当時は全体が白い漆喰で覆われていたらしい。
現在はほとんどが剥がれ落ちてレンガがむき出しになっているが、一部が残されている。

雨の象徴、蛙の装飾。
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人の足。
全体は当時の生活が描かれていたのだろうか。
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Templo Ⅶ
上の段は天界を表しているらしい。
下の段は当時の現実社会。腰にはベルトを付けた男性が座り込んでいる。
これは当時行われていた球技が、腰でボールを打つものだったため保護として付けているとのこと。
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Templo Ⅵ
雨の神だったか、天界の神かは忘れたが、最も重要な神として奉られていたとのこと。
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El Palacio(宮殿)
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Comalcalcoは人がほとんどおらず、貸し切り状態でゆっくりと回ることができた。
整備はされているものの、さほど観光地化しておらず、開放的で気持ちがいい。
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ある日には、Gstavoの息子が通う高校に、英語の授業の特別講師として招かれた。
生徒達の前に立ち、プロジェクターを使って拙い英語で旅行の概要を説明する。
一時間程の授業のうち、ほとんどが質疑応答で、生徒からの質問が途切れることなく、次から次に新しい質問が投げかけられる。
「メキシコは好き?」や「メキシコのご飯は何が好き?」「トランプ大統領についてどう思う?」等々・・・
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最後は写真撮影会になり、お開き。
このような試みは初めてのことで、本当に刺激的だった。
旅行で得た恩をこのようなことでもお返しできるという発見と、もっとこういう機会があればいいな、と考える良い機会となった。
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コメント

  1. 良い経験が重なっていくに連れ、写真も文章も腕が上がってるように思えます。読みごたえがあるわ。カナダ、アメリカ、メキシコ、行ってみないとわからないものやね。

  2. 元気そうですね!良かったです(笑)
    まさかメキシコの学校で教壇に立ってるとは…驚きました(^^;
    あぁ…。いいな…マヤ遺跡…羨ましいですよ(*_*;

  3. 僕の英語でどれだけ彼等が理解できたかは分かりませんけどもね!
    でもいい経験でした。もし機会があれば、またどこかでこういう事もしていきたいですね。

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