人口世界12位の大都市・Mexico Cityに突入

Angangueo~Toluca~Mexico City
1/15~1/17 (230~232days)
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蝶が集う聖地の麓の村、Angangueoを後にし、今度こそMexico City方面へと向かう。
Angangueoからメキシコシティへと向かうためには、標高3000メートルの峠を越えなければならない。
Angangueoが既に2400メートルくらいなので、そこまできつくないだろうと思っていた。
が、道は曲がりくねり、かなりの勾配。久しぶりに自転車を降りて、押して進む。
登り切った先には、別の聖地であるSierra Chincuaの入り口。
路上で少数のお土産屋さんが写真や食べ物を売っている。
地図を確認すると、北上してAtlacomulcoを経由し、高速道路55D号線へと出るルートが一つ目の選択肢。
二つ目の選択肢が、南下してローカル道を通り、Villa Victoriaを経由し、高速道路へと合流するルート。
二つ目はローカル道で坂道もありそうだし、Tolucaを避けることができずに都市中心部を通る必要がある。
高速道路をずっと走るのも興が無い。
それに加え、地図によると道中にVilla Victoriaという、湖畔の小さな町があるらしい。
湖畔の町ならキレイに決まってるだろう、という自転車乗りの直感を信じた。
途中の町で昼食休憩。

休憩後も特に山道は現れることなく、平坦か、もしくは緩やかに下っているようだ。
しばらく走ると、左手にLaguna de Villa Victoriaが現れる。


やはり予想通り、ローカルな場所のため外国からの観光客は全くおらず、地元民のみぞ知る憩いの場所の様だ。
非常に穏やかな空気が流れている。
が、ここは予想に反して中心街にはホテルは無いらしく、中心から離れた湖畔沿いに一件あるとのこと。
料金を聞いていると、意外にも一泊250ペソとのこと。(1ペソ5.5円、約1400円。)
普通の料金なので、即決で一泊お願いする。
従業員も普通にホテルのレストランで食事を取っているのが何ともメキシコ人らしい。
ホテル入り口の階段で腰かけていると、子ども達が4人程集まってきた。
どうやら自転車旅行者がここに来ることは相当に物珍しいらしく、皆興味津々で色々スペイン語を投げかけてくる。
アラスカから自転車で来たことと、日本人であることを伝えると、僕の話せるスペイン語はそれで終わり。
後はジェスチャーで「君の名前は?何歳?」など、何とかコミュニケーションを取る。
机には8人程。大学生くらいの男の子と女の子が6人と、母親と父親と思わしき2人。
食事はほぼ終わっていて、皆で10個くらいあるルービックキューブで遊んでいる。
母と父は英語が話せるようで、通訳してお互いコミュニケーションを取る。
「何で自転車なの?」
「メキシコは好き?」
「メキシコで食べる日本料理は、日本人から見ても美味しいのか?」
「今までどこが一番よかった?」
「とにかく違う文化を経験したいから旅行している。」と言うと、次々とメキシコ伝統料理の説明や、実際に料理を出してくれ、食べさせてくれた。
どうやら一族でこのホテルを経営しているようで、皆家族らしい。非常に友好的だ。

彼はTomas、写真を撮ってくれた奥さんのMarianneと一緒に自転車で旅行をしているスイス人自転車乗り。
実はAngangueoで僕がホテルを探している時に出会っており、挨拶だけしてすぐ別れていた。
その時した会話では、お互い別のルートを取る予定でいた。
偶然にもお互いが心変わりして道中でルート変更、Villa Victoriaで再会を果たすということが起きたのだ。
ちょうどチェックインできるようになったため、シャワーを浴びた後、一緒に晩ご飯と食べ、杯を交わした。

TomasとMarianneはスイスから中国横断を自転車でし、日本にも自転車旅行で訪れたそうだ。
日本の後は一旦スイス
に帰り、2016年5月からカナダ→アルゼンチン縦断のこの旅行を開始したとのこと。
日本が大好きだと言ってくれ、色々な話をし、非常に楽しい時間を過ごした。
僕もその予定だったし、彼等の事が好きになったため「一緒に走らない?」と提案してみる。
彼等は快く快諾してくれた。
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朝食を取り、準備を終えてもう一度見てみると、さっきの靄が嘘の様に晴れ、澄み切った美しい湖がそこにあった。

ホテルの人にお礼を良い、出発。

日本を自転車で旅行していた時、僕は一人でいることを好んだ。
自転車旅行はそれぞれペースが違うし、休憩のタイミングも違う。
当時はそれに合わせることが、煩わしく感じ、またメリットよりもデメリットの方が大きいのではないかと思っていた。
この旅行中、たくさんの自転車旅行者と出会った。
その出会いはどれも刺激的で、彼等と共有する時間は、絶景と出会う時とはまた別の感動を与えてくれた。
いつしか、誰かと一緒に走るのも悪くないな、と思えるようになった。
彼等の走るペースは、全く一緒なのだ。
平地でも下り坂でも、坂道であってもぴったりと離れることなく自転車を漕ぐ。
お互いを支え合うように走るその姿は、僕とってはもの凄く印象的であった。


ペースが合うから結婚したのか、結婚したからペースを合わせているのかは分からない。
けれども彼らのその姿を見て、もの凄く羨ましく感じた。

Tolucaはメヒコ州の州都でかなり交通量が多く、街中を歩く人の数も今までの街よりも大分多い印象。
TomasとMarianneは喫茶店で休憩するとのことで、彼らに自転車を見てもらい、Tolucaを少し散策してみた。






Igresia del Carmen


Cosmovital


Paracio de Gobierno del Estado de Mexico
(※ここは開放されているのか分かりませんが、頼めば入れてくれました。)







他にも見どころはありそうだったが、いつまでも歩いてしまいそうだったので、ほどほどにしてTomas達の元に戻る。



一時間の散策の後、Tomas達と合流して目的地へと向かう。
Tomas達がTolucaでのWarmshowerホストと連絡を取っていたようで、僕も便乗してホストのご自宅にお邪魔させてもらえることになったのだ。
(※Warmshower・・・自転車旅行者向けのSNS。ホストは自転車旅行者に寝床やシャワー、時には食事を提供してくれることも。)

ホストとして迎え入れてくれたのはGuillermo。
彼等からすれば僕は予期せぬ来客だったはずだが、快く迎え入れてくれた。
僕にとっては久しぶりの、メキシコでは初めてのWarmshowerホスト。
彼と彼の奥さんも自転車旅行者で、彼等がした旅行の話やアドバイスを聞かせてくれたり、ご飯を作ってくれたりと、非常に親切にして頂いた。
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TomasとMarianneはMexico Cityへは寄らず、そのまま南下しOaxacaを目指すとのことで、朝に彼等を見送る。
アルゼンチンまでの道中、またどこかで会いたいし、会える気がする。
僕はお知り合いの方にメキシコシティ在住の友人を紹介してもらっていた。
その友人の娘さん達が夕方にTolucaまで車で迎えに来てくれるとのことで、その間Guillermoの勧めで少し南にあるMetepecへと足を延ばしてみた。
autista





Metepecはメキシコの工芸品である「生命の樹(Árbol de la vida)」の産地でも有名。
元は植民地時代初期に、原住民に聖書の教えを説くために作られたものらしい。


Metepecを一通り観光した後、家に戻り、Guillermoにお礼を言って家を発つ。
知り合いのご友人の娘さん達とはToluca郊外のショッピングモールで合流。
SayuriとAlbertoが僕を迎え入れてくれた。
(Albertoは僕と同じ年、Sayuriも1つ下とのことで仲良くしてくれ、その後のメキシコシティ観光でも色々なところに連れて行ってくれることになる。)
想像していたよりもずっと大都会で、あちこちでクラクションの音が鳴り響いている。
さすが都市圏人口ランキング世界12位の都市。(2006万人。世界1位は東京横浜、3784万人。)
日本で言う新宿のど真ん中のような所で、しばらく骨を休め、翌日以降はメキシコシティ観光へと洒落込むのだった。

自転車での旅の良いところは沢山の人と出会えて、また何処かで再会出来る事ですね。(^ー^)暫くは滞在ですか!写真が楽しみです🎵