白い砂漠・ホワイトサンズ国定記念物

Tucson~White Sands National Monument
White Sands National Monument(ホワイトサンズ国定記念物)
10/26~11/2 (159~166days)

10/26~10/30

3日間お世話になったTucsonのElenaの家を離れ、東へと向かう。
RIMG2860
Tucsonを安全に抜けるため、Elenaが自転車道を通るルートを計画し、地図を印刷してくれた。
そのためストレスなくTucsonを抜けることができた。
RIMG2896
Tucsonを抜けた後、しばらくはインターステイツ(高速道路)沿いを通る脇道を走る。
風景は驚くほどに真っ平。自分が下り坂を走っているのか、上り坂を走っているのか、それとも平坦な道を走っているのか・・・それすら麻痺する。


その脇道も長続きはせず、ほとんどはインターステイツの上をトラックや乗用車と共に走行することを強いられるのだが・・・
RIMG2882
RIMG2894
寝床は専らガソリンスタンドや大型ショッピングセンター横の、人目の目立たない所にテントを張る。
Bowieという集落では、無料でテントを張らせてくれたRV Parkもあった。

Tucsonを離れて3日目、ニューメキシコ州に入る。
RIMG2876
RIMG2892
IMGP4406
走っている道路の横は、見渡す限りの砂漠と地平線。
そして不思議なことに、Tucson付近であれだけたくさんあったサボテンは一切その姿を消した。
その代わりに、Yuccaというニューメキシコ州の州花が目立つようになってきた。
特に群れて生えているわけでもなく、大体が距離を置いてぽつんと佇んでいる。
何故だか分からないけれども、その姿には心惹かれるものがある。

IMGP4418
10/30、Las Crucesに到着。
Organ山脈を背後に背負った、人口8万人程の中都市である。
ちなみにTucsonでもそうだったのだが、ほとんどの住宅が1階建てになっている。
理由を尋ねたところ、砂漠地帯であるから、砂塵の侵入を避けるため、と言っていた気がする。
RIMG2922
ここLas CrucesではWarmshowerのホスト、JohnとDonettaの自宅に泊めさせてもらった。

10/31

Johnの家を9時頃出発し、更に東へと向かう。
目的地であるWhite Sands National Monumentへ向かうには、Organ山脈を越えなければならない。
IMGP4421
IMGP4428
Organ山地の頂上からは眼下に広がる荒野を望むことができる。
また、ミサイルのオブジェが設置されている。
IMGP4430
IMGP4433
White Sandsにはミサイル実験場があり、今現在も年に数回ミサイル発射テストが行われる。
その時期にはWhite Sands National Monumentも立ち入り禁止とされるそうだ。
更に日本人にとっては切っても切れない関係である原子爆弾。
史上初の原子爆弾は、ここWhite Sandsのミサイル実験場で炸裂したという。
(※正確にはトリニティ実験場にて炸裂。そのトリニティ実験場は現在のWhite Sandsミサイル実験場の一部になっており、年に2回、一般公開されています。)

RIMG2908
White Sands National Monumentには15時頃到着。
ビジターセンターにて、バックグランドのキャンプ場を予約し、奥へと進む。
RIMG2909
ビジターセンターから数キロは白い砂漠など一切見当たらず、ただの平原が広がるばかり。
そこからさらに進むこと数キロ、徐々に白い砂漠が道路脇に現れ始める。
RIMG2910
さらに進むこと数キロ。道路も含め、空と一部の植物がある以外、全て白の世界へと変わる。
IMGP4446
IMGP4441
RIMG2913
通常の砂漠は石英が主成分であるが、ここWhite Sands National Monumentの砂漠は主成分が石膏であるため、このような白い色になっているらしい。
また、石膏は水溶性のため雨が降れば本来溶けてしまう。
しかし、この砂漠周辺には川や海は無く、盆地になっている。
そのため、砂漠が流れ出ることなく、白い色の砂漠を維持することができているそうだ。
(※ Wikipedia「ホワイトサンズ国定記念物」参照)
RIMG2915
IMGP4460
ここWhite Sands National Monumentのキャンプ場は少し変わっており、トレッキングコース上にテントサイトが点在している。
見渡す砂漠であるため、迷う恐れがあることからトレッキングコースにはオレンジ色のポールが目印として設置されており、このコースを外れて歩くことは原則禁止されている。
最初、自転車を押して砂漠の中を進んでテントサイトを目指した。が、砂が深くとても進めたものではない。
自転車をトレッキングコースの入り口に止め、バックパックに必要な物だけ背負ってテントサイトへ向かった。
IMGP4480
砂漠の中にぽつんとテントを設置するのは寂しくもあり、また心が落ち着きもする。
テントを設置した後は見晴らしのいい砂丘に座り、日没を眺め、日没後もしばらくじっとていた。

IMGP4462
IMGP4464
IMGP4465

11/1
IMGP4467
IMGP4468
IMGP4488
この日の朝も同じように、日の出前から砂丘に腰かけ、朝日を迎える。
景色は白い砂漠、それのみである。
しかし、何故か今まで訪れたどの絶景よりも美しく思えるのが不思議だ。

White Sands National Monument内の道路は一本道。
キャンプ場から少し進んだところで道路はループ状になっており、ビジターセンターへと戻るコースとなっている。
RIMG2911
IMGP4485
IMGP4509
白い無音の世界の中、ゆっくりとペダルを漕ぐ。
が、進めど進めど一向に道がループしているようにも思えないし、風景も変わらない。

20分程走っただろうか、看板があったため見たときに、「えっ!?」と声を出して驚いてしまった。
前日に泊まったキャンプ場のトレッキングコースの入り口だったのだ。
「そりゃループしてんだから、走ってればいつか辿り着くよ」とお思いだろうが、僕には道がループしたようにも思えなかったし、当然来た道を戻ってきたはずなのに、看板を見るまで一切気づかなかった。
まるで魔法に掛ったような、キツネに摘ままれたような不思議な感覚に、鳥肌が立った。

また来た道を戻り、白い道が舗装路に戻った後も、この不思議な感覚はビジターセンターに着くまでずっと続いた。

ここWhite Sands National Monumentが僕にとって、アメリカ縦断最後のゴール。
最後に最高の場所に辿り着いたことに、この場所を紹介して下さった先輩自転車旅行の外谷さんには深く感謝したい。
IMGP4522
White Sands National Monumentを離れた後はLas Crucesへと戻り、Johnの家にまた泊めてもらった。
いよいよ、メキシコ入国だ。

※Facebookページを作成しました。ブログ更新のお知らせと共に、ブログより細かく日々更新しております。
もしよろしければそちらもよろしくお願い致します。↓のバーナーより飛ぶことができます。

コメント

  1. 空気は美味しいの?

  2. 無臭やね。
    空気には「臭いor無臭」しかないと思っている。
    臭い=不味いと捉えるなら、無臭=美味しいになるかな。
    風景の中で一番気になるとしたら、音やね。無音は心地いい。

  3. 白い砂漠での、日の出日の入り。何とも言えない風景に癒されたみたいですね!無の世界ってどんなかな…。
    日本、得に東京に居ると全く想像出来ません(._.)喧しいあたしにはとくに(._.)
    テントもポツリと。怖くなかったですか?アメリカ無事に走りきりましたね(^^)いよいよメキシコですね!

  4. 自分の足音と、風の音以外何も聞こえないというのは非常にすがすがしいです。
    テントは怖くないですね、街中の方がめちゃくちゃに怖いです・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です