ブライスキャニオン国立公園でトレッキング

Selina~Bryce Canyon National Park
Bryce Canyon National Park(ブライスキャニオン国立公園)
9/18~9/22(121days~125days)
Grand_Circle_Map
グランドサークル(The Grand Circle)は、アメリカのユタ州とアリゾナ州の州境にあるパウエル湖という巨大な人造湖を中心に、半径230km の円を描いた時、その円(サークル)の中に含まれるエリアの呼称。
10の国立公園、16の国定公園、19の国立モニュメントや州立公園が、その円(サークル)の中に含まれる。
(Wikipedia 「グランドサークル」より引用)

僕自身、アメリカは余り下調べをせずに入国しました。
正直、ユタ州で言えばモニュメントバレー、アリゾナ州で言えばグランドキャニオン、後は知っている場所が数箇所程でした。
しかし、色々な方から教えてもらう内に、グランドサークルと呼ばれるエリアにはたくさんの巡るべき場所があることを知りました。
もちろんブログにてこれから随時紹介していくことになると思いますが、まずはブライスキャニオン国立公園を皮切りに、グランドサークルを現在走行している次第です。

以下本編。

9月18日。
Selinaのキャンプ場でミチコさんに見送られながら出発する。
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朝になっても月が沈み切らず、赤土の大地の上で浮かんだままになっている。
Monroeの公園にて昼休み休憩を取った後、再度自転車を進ませる。
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Sevier以降、今まで遠巻きに見ていた岩山の間を通る自転車道が現れる。
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世界が変わったように、まるで違う惑星にいるかのように感じる。
岩山を通り抜けると同時に、自転車のチェーンが切れる。
踏み込んだ時に切れたため、相当摩耗していたのだろう。
修理を終えると、16時になっていた。
予定していたJunctionまでの走行を諦め、MarysvaleのRV Parkに投宿。
15ドルもしたのに、何故かWifiが繋がらず、シャワーも有料。
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グランドサークル上に大きな自転車屋があるような町は、地図上ではない。
苛立ちと不安が頭を擡げる。
9月19日。
6時に起床し、朝食、準備を済ませて8時に出発。
ブライスキャニオン国立公園の標高は2,500メートル。Marysvaleは標高1,700メートル程。
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意外と下り坂だが、10時頃より向かい風が吹き、思ったようにスピードに乗らない。
峡谷の中を進んでいるため、風の通り道となっているのだろうか。
Junctionを通過し、ブライスキャニオン手前の町、Panguitchに14時到着。
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無人のビジターインフォメーションにてユタ州のガイドブックを入手。
見所が写真付きで掲載されたもので、今まで知らなかった場所をたくさん知ることができた。
今後もペースを落とさずにいかなければ、何時までたっても抜け出せない程、ユタは巡るべき所が多いようだ。
図書館にてWifiを使い、天気予報を確認する。
この日は終日晴れ、翌日以降は天気が崩れ、4日後には雷雨、その後は晴れが続くようだ。
Panguitchからブライスキャニオン国立公園までは35キロ程。標高差は500メートル程登らなければならない。
しかし、Panguitchで何日も滞在しても仕方がないので、15時頃図書館を離れ先へ進む。
89号線から分岐するハイウェイ12号線へと入る。
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このハイウェイは地図にも載っているのだが、これから110マイル(約170キロ)程続く、景観の良いハイウェイらしい。
ハイウェイに入ってすぐにDIXIE National Forestに入ることになるが、見事なまでに真っ赤な岩山。
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確かに夕焼け時なのだが、それとは全く関係なく真っ赤。
見た目そのままRed Canyonと呼ばれているようだ。
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奇石、トンネル。
まるで遊園地のセットを見ているかのように現実感がない。
DIXIE National Forestの入り口からブライスキャニオン国立公園までは自転車道が通っており、標高はどんどんと上がっていく。
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ハイウェイ12号線のサミットは7,777フィート(2,370メートル)。
国立公園2キロ程手前のBryce Canyon Cityには17時半到着。
ホテルはNo Vacancy(空室なし)のサインばかり。Red Canyonのキャンプ場も満席だったため、予想通り。
ブライスキャニオン国立公園の入り口へと向かう。
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本来であればこのまま公園内へと入り、夕焼け時のブライスキャニオンを見るつもりだった。
しかしながら空がガスってきていたため、森の中で野宿し、翌日以降に持ち越し。
9月20日。
5時半起床。
暗がりの中準備をし、7時前にブライスキャニオン国立公園のゲートを目指す。
ゲートは開いているが、料金所がまだ開いていない。
しかし、車はびゅんびゅん通過していくため、右に倣えでゲートを通過する。
ブライスキャニオンは全長28キロの一本道のハイウェイが公園内を通っており、そのハイウェイ上に展望台が点在している。
公園入口付近にあるのがSunrise PointとSunset Pointと呼ばれている展望台で、その名の通りそれぞれ日の出と日の入り時に良く映える場所である。
まずはSunrise Pointへ向かう。
展望台へ向かうと、思わず「おっ」と声が出る。
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見渡す限り赤い大地が広がっている。そして奇石がニョキニョキと並び立っている。
まだ太陽が昇っていないため、薄い群青色の空気の中、キャニオンがぼやーっと浮かび上がっている。
見たこともない景色である。
時刻は7時。いつもであれば、後20分程で太陽が昇るはずである。
しかし20分待っても40分待っても太陽は出てこない。
sunrise2
辺りは既に白く明るくなっているのだが・・・
恐らくもう太陽は昇っているのだが、この日は曇りのため見えないのだろう。
少しがっかりしつつ、Sunrise Pointを離れる。
さてここからどう公園内を回ろうかと考え、まずは一番奥、28キロ先のRainbow Pointへ向かい、復路で残りの展望スポットを巡ろうと決めた。
Rainbow Pointの標高は2,778メートル。現在いるビジターセンターは標高2,406メートル。
かなり厳しい上り坂が予想されたが、せっかく来たからには行かなければ気が済まない。
途中から自転車道は無くなり、ハイウェイを通ることになるが路肩が狭い。
そして当然ながらずっと上り坂が続く。ただしそこまで急勾配というわけではない。
途中に見える展望スポットの標識を無視し、ひたすらにだらだらと登る。
Rainbow Pointには10時半頃到着。
最後の2~3キロの登りがきつかったが、予定通り2時間で到着。
「さぁさぁ、今まで見たいのに我慢して素通りしてきた展望スポットにようやく拝むことができるぞ、すわ行かん。」
と意気込んで展望台へと向かう。
rainbow
yovimpa
ここでも思わず「おっ」と声が出る。
ブライスキャニオンは縦長の峡谷なのだが、今まで通り過ぎてきた展望スポットである峡谷達がズラーっと並び、その断層がまるで虹のように見える。
まさにRainbow Point。
しばらく展望スポットでキャニオンを眺めた後、併設されたピクニックエリアで少し早めの昼食休憩を取る。
12時頃、来た道を今度は帰りつつ、展望スポットを巡るために出発する。
Black Birch Canyon
black birch canyon
Ponderosa Canyon
paderosa canyon
Agua Canyon
agua
agua2
Natural Bridge
natural bridge
Farview Point
farview
Swamp Canyon
swamp canyon
どのキャニオンも素晴らしい。
しかしながら、いずれも「おっ」とはなるものの、それを上回る感動を受けることはない。
カナダやアメリカで「お勧めの場所はどこ?」と聞くと十中八九「ブライスキャニオン国立公園には絶対に行け」と言われてきたのだ。
当初のルートを変えてまでやって来たため、僕の中で期待値が上がり過ぎていたのだ。
しかもSwamp Canyonを越えた辺りから雨が降り始めた。全く天候に関しては僕は運がない。
残るPointはInspiration PointとSunset Pointの2つ。
Inspiration Pointのシャトルバス停留所の屋根の下、雨宿りをしつつ、見に行こうかどうしようか悩む。
雨の中自転車を放置したくないし、でもわざわざ濡れて見に行ったとしても大したことないかも・・・
しばらくうーんと考えたが、「雨がなんじゃ!二度と来ないんやろうからさっさと行かんかい!」と喝を入れ、自転車にカバーを掛けて展望台へと向かう。
Inspiration Pointの展望台に立った瞬間、「おおっ!?」と唸る。
inspiration
inspiration2
inspiration3
鋭く尖った岩が一面に乱立している。今までのキャニオンとはまた違った趣がある。
「どこか既視感がある・・・」
記憶を辿り、ピーンとくる。
昔、東京の森美術館で見たアントニオ・ガウディの展覧会で見たサクラダファミリアの写真にそっくりなのだ。
今までのキャニオンは素晴らしいのだけれども白昼夢にいるような、特撮セットを見ているようで現実感がなかった。
ここでは既視感という現実感と、白昼夢感が良い具合に混ざり合い、僕の心の琴線にビビビっと来たのだろう。
興奮冷めやらぬままにSunset Pointへと向かう。
Sunset PointからはNavajo Loop Trailというトレッキングコースがあり、キャニオンの中を歩くことができる。
トレイルの入り口から歩き出してすぐに「うおぉっ、なんじゃこりゃあ!」と、僕の心の琴線は激しくかき鳴らされたように唸り上がる。
wall street
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wall street2
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尖った岩が聳え立つ中、グネグネと曲がりくねった道を人々が列を成して降りていく、余りにも異質な光景。
道を下り切った先は、開けた空間となっており、まるで赤いジャングルにいるような中ハイキングを楽しむことができる。
Queen Victoria
queen victoria
Two Bridge
two bridge
Thors Hammer
thors hummer
ハイキング中もやはり雨は降っていたが、そんなことはどうでも良くなる程の光景だった。
やはり多くの方に勧められたブライスキャニオン国立公園、来てよかった・・・
結局この日を含めて3日間雨は降り続け、僕は公園入口の外、森の中で2泊、少し先のTropicという町で1泊、テントの中で過ごしたのであった。

コメント

  1. 映画のシーンにも出てきたことあるような、見たことあるかも?
    でも想像を絶する光景やね。

  2. ええっ!!!
    ビックリです〜もうブライスキャニオンに到着してるんですね〜予想以上に速いペースじゃないですか?
    グランドサークルは本当にオススメです。私はレンタカーでソルトレイクシティからグランドサークル、ラスベガスに向かいました。なんと言っても超オススメはモニュメントバレーです〜。
    コロラドに知り合いがいます。
    是非紹介したいアメリカ人です。
    急いで連絡を取ってみます。
    こんなに早く走行しているとは。。。焦っています、直ぐに連絡を取りますね〜。(汗)
    ご無事で何よりです〜!

  3. まさに、映画のような光景でした。

  4. 今返事をしている9月24日時点で、Capitol Reef National Parkに近い場所にいます。
    ほとんど毎日走りっぱなしなので、常に前に進んでいますが決して早いペースではなく、結構かつかつなのかなと・・・(ビザはないため90日滞在。現在39日目)
    モニュメントバレーは必ず行きます!恐らく1週間後?くらいには到着できるかな、と。
    お知り合いの件、ありがとうございます。こちらはFacebookにて・・・

  5. うぉぉぉー!なんと凄い渓谷?キャニオン?写真が綺麗に撮れてるから実際に行きたくなりますね!まぁ夢ですけど…(”;)トレッキング、感動物だったのでは♪
    前の記事にミチコさんという方が言った『結婚するまでにやりたいことやりなさい』と言っていたの分かりますね(^ー^)中々自転車で世界まわるのなんて中々出来ないですもんね。今更なんですが…店長凄いですね(^^;
    あの、トンネルみたいな穴のあいた岩の前の赤い車の写真、いいですねぇ(*´∇`*)絵はがきにして送って下さい!(笑)

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