Bonners Ferryでのファーマーズフェア

Cranbrook~Bonners Ferry
8/18~8/21 (90~93days)

アメリカに入国する際、ビザ無しだと通常90日間の滞在許可が与えられます。
アラスカから入国してカナダを通過してアメリカ合衆国へ再入国する際、この90日間が非常に厄介な問題となります。(逆もまた然り)
アラスカで90日を得た後、カナダに入国したとします。この90日間というのはカナダ滞在中もカウントされ、生きています。
カナダからアメリカ合衆国へ入国する際、アラスカで得た90日を消化し切っていないと、新たな90日をもらえない恐れがあります。

極端な話、アラスカとカナダで85日滞在した後にアメリカ合衆国に入国したが、滞在は5日間しか許されないということもあり得るということです。
自転車旅行者にとって90日間でアラスカ~アメリカ合衆国を走破することはほぼ不可能のため、90日間をアラスカ・カナダ間で過ごすことを余儀なくされます。
※90日間経過せずとも、新たに90日間をもらっている旅行者もいます。そこら辺は入国審査官の裁量次第と思われます。

また、アメリカに入国してからはアイダホ州のBonners Ferryという町で3日間滞在しました。
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カナダのユーコン州ホワイトホース近くの集落、Marsh Lakeで出会ったロバートの妹さんが、Bonners Ferryで農業を営んでおり、そこを是非訪れてくれと言われていたのです。
ちょうどロバートも8月上旬から21日までは滞在するとのことで、再会を約束していたのでした。
以下本編。



8月18日。

6時半起床。
朝っぱらから湖で泳いでいる人がいる。寒くはないのだろうか。

朝食を取り7時半出発。

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この日はCranbrookから70km程のカナダ・アメリカ国境までの短いライドなので気持ちが楽。
道は林道で上り坂はなし。
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見どころも余りなく、途中にあるMoyie Lakeくらいか。
途中、Rest Areaがありお昼時だったこともあり休憩。
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昼食を取り、ウクレレを弾き、パソコンで作業をし、昼寝。
4時間程居座ってしまった。
17時頃にYahkに到着。
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ちょうど雨が降ってきたため、コンビニでクッキーとパンケーキを買い、小休止。
20分程で雨は上がり、再出発。
公園があり、日帰りピクニックエリアがあったので、ここで夕食の準備をする。
途中土砂降りの雨が降り、屋根もないため自転車と一緒にレインカバーの下で丸まってやり過ごす。
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1時間程丸まっていただろうか、雨が上がったため夕食を済ませ、この日はここでキャンプ。
8月19日。
6時半起床。
遂にこの日、カナダを出国しアメリカへと入国することになる。
下調べで、アメリカ入国審査はかなり厳しいと聞いていた。
帰国の飛行機チケットが必須とか、銀行の口座証明を求められたとか、そういった類の話。
僕は両方とも持っていないため、朝から少し緊張気味に出発した。
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15km程走り、カナダ・アメリカ国境の町、Kingsgateに8時半到着。
カナダの出国スタンプは無いので、アメリカ側のカスタムに直行。
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「アメリカにはどれだけいるの?」
「今日はどこで泊まるの?」
「自転車でアルゼンチンまで?へぇー凄いね、じゃあアメリカ滞在許可は90日マックスあげるね」
指紋と顔写真、6ドルを支払ってI-94Aの手続きを取り15分程で終了。
といった流れで非常に友好的で、すんなりと通過することができた。
かなり緊張していただけに、通過した際は本当にホッとした。

90日間のアラスカ、カナダの走行を終え、遂にアメリカはアイダホ州に突入。

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ハイウェイ95線を通ってBonners Ferryを目指すが、路肩がかなり狭い。
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道路上は交通量が多く、路肩を走る僕の横を大型トラックがバンバン通り過ぎていく。
アイダホ州は農業が盛んなようで、景色はひたすらに畑。
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Bonners Ferryには12時頃到着。
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ビジターセンターにてロバートに到着した旨のメールを送る。
15分程待っただろうか。
「ボンジュール!ボナーズフェリーへようこそ、ナオ!」
ロバートと彼の奥さん、マリーンが迎えに来てくれた。
彼らのバンに自転車を載せ、彼の妹、コリーンと夫のミッチが営む農場へと向かう。
農場には20分程で到着。

コリーンとミッチ、またロバートの家族は僕を温かく迎えてくれた。

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農場は無農薬の野菜畑で、夕食までは畑でロバートと彼の息子アンドリューと一緒にキュウリの収穫を手伝う。
畑での作業など、小学生の時何かの体験学習以来だと思うが、汗をかきながら大きいキュウリを探して収穫することは非常に楽しかった。
17時頃、先ほど取れたキュウリやその他の野菜を使って夕食の準備。

僕はチキン用のソース作りを手伝う。
18時頃家の外のテラスで、チキンとこの農場で取れた野菜のサラダを夕食に頂いた。

突然ハッピーバースデイの合唱が始まる。
家の陰からロバートが巨大なケーキを持って現れる。
彼らは僕の誕生日のために、サプライズとして準備してくれていたのだ。
驚きの余り、「アメージング!」の言葉しか出てこなかった。
その後は、涙しか出てこなかった。
まさか旅行中にこんな風に誕生日を祝ってもらえると思っていなかった。
「日本にはケーキの上のローソクの炎を消す文化はあるかい?この1年、願うことを頭の中で思って消すんだよ」
と促され、願いを込めて炎を吹き消す。

同時に温かい拍手をもらう。

その後はケーキをみんなで食べ、キャンプファイヤーを囲んで談笑。
本当に特別な、素敵なアメリカ1日目となった。

8月20日。
この日はロバート達と一緒にファーマーズフェスティバルへ。
8月18日から8月20日にかけて、牧場が開放されて祭りが開かれている。

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コリーンもマーケットで畑で取れた野菜を販売している。
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この祭りでは牧場主達が、各々の畑で取れた野菜や育てた牛・豚・その他多くの動物を出展し、品評会が開かれてる。
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品評会以外にも、催し物や住民参加型のゲームが多数開かれている。
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僕もロバートに促されていくつかのゲームに参加した。
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ブルーベリーパイ早食い競争。手は使ってはいけない。
パイの周りの食べ方が分からずブービー。
ロバートは3等賞だった。
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その後に参加したブルーベリーの種飛ばしでは、3等賞を獲得。
その後もニワトリを追いかけて捕まえるゲームや、麻袋に足を突っ込んで飛び跳ねる競争、ホースダンシングなど様々なプログラムがある。
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僕は豚を捕まえるゲームと、ロバートと組んで力車に人を載せての徒競走に参加。
力車競争では1等賞を取り、新品の力車を獲得したのでコリーンにプレゼントした。
祭りは夜遅くまで開かれており、アメリカン文化を堪能した一日だった。

8月21日。
この日にロバート一家はカナダへと帰る。
帰る前に、彼らとボナーズフェリーの町一体を見下ろせる丘へドライブし、眺めを楽しむ。
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11時頃、ロバート達はキャンピングカーに乗り込み、帰路に着く。
カナダでたった2日間過ごしただけなのに、本当に昔からの友達の様に迎えてくれた。
英語もろくに喋れないのに、何も彼らにお返しができないのに。
ハグをして別れの挨拶をした後は、涙を止めることができないまま彼らの車を見送った。
ロバートを始め、カナダ人には懐の大きさと、友人を本当に大切にするカナディアン精神というのを感じた。
多くの方に親切にしてもらった。
まだ始まったばかりのこの旅行だが、「どこの国がよかった?」と聞かれれば僕は間違いなくカナダを真っ先に挙げるだろう。
この日はミッチの牧場でもう一泊させてもらい、自転車の整備と食料の買い出しをし、次の日から始まるアメリカ縦断に備えて眠りに就いた。

コメント

  1. 読んでいて、楽しく暖かい気持ちに満たされました。そして、ありがとうと言う感謝の気持ちと、涙があふれました。
    次のブログも楽しみに待っています。

  2. しんどいこともあるだろうが、それ以上に楽しいんでしょうね。
    行くところ行くところ親切な人達に囲まれているのはあなたの人柄でしょう。
    なんかそんなにいい所なら一瞬僕も行こうかと思わせる、旅先でのバースデーパーティ・・・素敵ですね。

  3. カナダで嫌な思いをしたことは一度もなく、みなさん本当によくしてくれました。
    日本に帰ったら恩返ししようと思います。

  4. カナダでは本当に楽しい思いをさせてもらいました。
    僕の人柄などとても褒められたものではないので、まさにカナディアンスピリットなのだと思います。
    カナダ、是非とも行ってください!

  5. 出発してもう3ヶ月。まだ3ヶ月。
    この先まだまだ長い旅をする事でしょう。今回のblog読んで店長の事本当に羨ましく思いましたね!最高の誕生日プレゼントも貰えましたし(^ー^)一生の宝ですね♪夢諦めなくて良かったですね。きっとこの先沢山の苦労があると思いますが、とことん全力投球でやり遂げて下さいね!d(^-^)アメリカ横断気をつけて楽しんで下さい!
    ウクレレ…持ってたんですね…(笑)

  6. ありがとうございます!ちなみにアメリカは横断ではなく縦断です笑
    ウクレレの件ですが、実はホワイトホースでもらった物は壊してしまいました・・・
    誕生日にCranbrookに誕生日プレゼントとして新しい物を購入しています。

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