世界最大の化石発掘現場・ダイナソー州立公園

Drumheller~Chain Lake
Dinosaur Provincial Park(ダイナソー州立公園)
8/10~8/13 (82~85days)

8月10日。
5時半起床。雨はまだ降っていないが、確実に雨になるであろう曇り空。
朝食を取り、テントを撤収。Alberta州は蚊が多くて参る。

6時半出発。
出発してすぐに雨が降ってきた。
RIMG1836
自転車を止めて合羽を着ようとすると、容赦なく蚊が群れを成して襲ってくる。
左手で蚊を払い落しながら合羽を着て再出発。

南に進路を変え、ハイウェイ36号線に入る。
Calgary以降、基本的に牧草地で何も無いようなハイウェイ状況だったのが、さらに何も無くなる。牧場のキャビンすらなくなる。
RIMG1839
360度真っ平、見えるのは砂漠の様に広がる牧草と、地平線のみ。
それでも車通りはそこそこあり、かつ大型トラックの通り道となっているようだ。
RIMG1843
何台かのトラックは、荷台に大きなプレハブをそのまま載せて通過していく。日本だと考えにくい光景だ。
Duchessという小さな集落に14時頃到着。
RIMG1847
コーヒーブレークを取りがてら、晴れてきたので雨に濡れた自転車を拭き掃除。
ここでキャリアにヒビが入っていることに気が付く。
恐らくカルガリーで壁にぶつかってサイドバッグを擦った時、強い衝撃を受けたためだろう。
この小さな集落でできることはないし、今すぐどうこうという程ではなさそうだ。
特に処置せずに16時頃再出発。
17時頃、Dinosaur Provincial Park手前のPatriciaという集落に到着。
RIMG1852
IMGP2555
IMGP2554
世界遺産まで16キロ。一番近い町とは思えない程、何もない。あるのは数軒の家のみ。
RIMG1856
逆に自転車旅行者にとっては好都合なので、集落の真ん中にある公園でテントを張り、一日を終える。

8月11日。
6時起床。
7時になると、目の前にある消防署に人が集まってきたので準備をしてそそくさと立ち去る。

PatriciaからDinosaur Provincial Parkまでの道は、世界遺産に通じていると思えない程に車通りが無く、閑散としている。
RIMG1858
あまりにも閑散としているため、「大したことない世界遺産なのでは・・・」と不安になり始める。

8時40分頃、Dinosaur Provincial Parkの入り口に到着。
RIMG1860
入り口を入ってすぐ展望台があるらしく、そちらに向かう。
誰一人観光客はいない。僕だけが観光客のようだ。
展望台に立った瞬間、体と心がブルっと震える。
IMGP2558
IMGP2570
見渡す限り、眼下にどこまでも峡谷が広がっている。
この峡谷で世界中のどこよりも恐竜の化石が発掘されており、かつ遥か太古に恐竜が生きていたことを想像すると・・・
興奮がなかなか冷めず、展望台からしばらく動くことができなかった。
展望台からすぐ近くにVisitor Centerがあるのでそちらに向かう。
開館時間は9時からの様で、僕の他に2、3組が入り口前で待っている。
9時になり、開館と同時にビジターセンターに入る。
RIMG1865
IMGP2604
「すみません、化石の発掘体験ができるツアーがあれば参加したいんですが」
「ええっと・・・化石発掘体験には予約が必要で、かつ費用は160ドルになります。バスツアーなら化石発掘体験はできませんが、18ドルでガイドが付いて恐竜についての解説を聞くことができます。」
160ドルはちょっと高すぎる・・・バスツアーは安くも高くもなく良い値段設定で、どうしようか悩んだ。
それでも僕の英語能力では恐らく理解することは難しいだろうと判断し、6ドルを払い、センター内のミュージアムを見学することにした。
センター内ではフードゥー(雨や風化により形が変化した奇石)についての解説と展示物、少ないながらも恐竜の化石が展示してあった。
RIMG1868
RIMG1883
IMGP2580
IMGP2583
IMGP2592
IMGP2600
IMGP2602
IMGP2603
センター内を見学後、いくつかトレッキングコースがあるので短めのコースを選び、ハイキングを楽しむ。
IMGP2607
IMGP2612
IMGP2613
IMGP2619
トレッキングコースというがコースが分かりづらく、撮影に夢中になっていると峡谷から落ちる恐れもある。
ただ、柵や鎖などが無い分、峡谷の下を流れる川やフードゥーを近く感じることができる。
観光客に少しでも恐竜のいた時代にいるような感覚を、という配慮からなのだろうか。非常に楽しむことができた。
10時40分頃、Dinosaur Provincial Parkを後にする。
来た道をまた戻るだけのため、ほとんど記憶がない。ひたすら牧場のみだったと思う。
15時頃、Brooksに到着。
RIMG1890
少し大きめの町で、自動車修理工場を見つける。
ここで自転車のキャリアに入ったヒビの溶接を依頼するも、1軒目は溶接工が不在で断られる。
2軒目に訪ねた所はタイヤ屋で対応不可だったが、親切にもゆっくりと丁寧に溶接工のいる工場を教えてくれた。
そちらへ向かい、片言の英語で「溶接してほしい」旨を何とか伝える。
どうやらヒビの入っている箇所が溶接が難しい箇所らしい。また溶接関係の英語等聞いたことがないため、説明を聞いてもイマイチ理解できない。
それでも、「何とかやってみるから、そこで待ってな。」と言い、修理が始まる。
IMGP2625
RIMG1934
ものの5分程で作業終了。
どうやらヒビを埋める溶接ではなく、上部の接合部分を広げることで現状の強度を強化してくれたらしい。
恐らく将来的には折れるだろうが、その時に考えればいいやとのことで、丁重に礼を言い、工場を後にする。
※ただ、キャリアを外さずに作業を始められたため、少々塗装が剥げてしまった。
Brooksには図書館があったため、そこでWifiを使用してネット作業。

17時に再出発。

RIMG1908
道はまた360度何もない牧草地。
誇張表現抜きで、まるで緑の砂漠のようなのだ。
木など生えているはずもなく、一つの日陰すらない。
19時半頃、Bow Cityという数軒の家が立ち並んでいる集落に到着。
辺り一面が牧草地で誰かの所有物である以上、無断で野宿するわけにもいかない。
1軒の家のドアをノックし、テントを一晩だけ張らせてもらえないかお願いをする。
IMGP2627
RIMG1901
KenとFay夫妻は快く僕を迎えてくれ、晩ご飯にハンバーガー、ドーナツ、Wifiと必要な物全てを与えてくれた。

8月12日。
6時起床。KenとFayに朝食をごちそうになる。
9時頃に挨拶を済ませ、見守られる中出発しようとしたところでこの旅行初めてのパンク。
後輪に小さな釘が刺さったようだ。
パンク修理には慣れているはずが、久しぶりのことで手間取る。
Kenに手伝ってもらいながら何とか10時に出発。

出発してすぐにキャンプ場を発見する。
昨日Ken夫妻に受けた質問の中で、「金はもっているのか?」というものがあった。
「持っているけど、節約しないといけないからほとんど野宿してる」と答えたが、受け取り方次第で非常に失礼な答えだったかもしれない。
母国語ではないため、細かいことが伝えきれず、それが誤解を招きかねない。
今後、注意しなければと自分を諫める。
RIMG1904
RIMG1909
13時半頃、Lomondという集落に到着。
図書館があったため、休憩がてらWifiを使ってネット作業。
16時頃に再出発。
Lomond以降、少しだがアップダウンが現れ、道に変化がでてきた。
IMGP2629
19時頃、Warmshowerで連絡を取っていたRolandとCarrie夫妻の家に到着。
彼らはドイツ人で、夏の時期のみカナダに住んでおり、8月25日にはまたドイツに帰国するとのことだ。
そのご家族の祖父母夫妻の家で、彼らの子どもTomasと一緒にトルティージャ(メキシコ料理。中華料理の肉巻きサラダのようなもの)を頂く。
夕食後はオリンピック、女子サッカーのブラジル対オーストラリア戦を一緒に観戦する。
夕食後はRoland夫妻の家に移動。
Rolandの家は僕にとっては非常に印象的で、見た目はまるで体育館の様。
中も体育館の様にフラットで、壁や柱は一切なし。
フロアの好きな位置にソファーや机を配置していて、ガレージも兼ねているのか自転車もそのまま家の中に入れている。
RIMG1912
一番奥の壁にベッドルーム、キッチン、バスルームが備えつけてある。
太陽光で水を温め、それを床暖房のように床下を流れるようにしているとのこと。
日本だと耐震構造の問題もあり難しいかもしれないが、僕が日本で家を持つなら、こんな家を作りたいと思う。

8月13日。
7時起床。
朝食にシリアル、レーズンベーグル、スクランブルエッグ、コーヒー、ミルクチョコレートを頂く。
こうした食事や寝床を提供してくれることは、彼らにとっては費用が掛かっている。タダではない。
僕は英語も話せないし、何か特技があるわけでもない。
彼らにできるお返しといえば、自分が経験した事を共有することぐらいだ。
僕はお世話になった人には必ずメールアドレスを聞き、時々写真を送るようにしている。
Rolandにもアドレスを聞き、握手を交わして9時頃出発。
11時頃にVulcanという町に到着。
RIMG1914
RIMG1924
RIMG1922
RIMG1915
RIMG1917
RIMG1920
RIMG1921
ビジターセンターを訪ねると、スタートレックに関する展示物がびっしりとあった。
正直僕はスタートレックは一切見たことがないので分からないのだが、ここはファンにとっては聖地なのだろうか?
※後日調べて見たところ、作中の中にVulcanという惑星があり、それに乗っかっての展示の様。作者の出身地とかではないようです。
IMGP2630
Vulcan以降、牧草地の向こうに山脈がぼんやりと浮かび上がるようになってきた。
13時半頃、Nantonという町に到着。

Community Centerの公園で昼食をとり、15時45分頃までWifiを使用。

Nanton以降は上り坂がきつくなり、標高も1300メートル付近まで上がる。
RIMG1929
IMGP2633
それでもやっと牧草地のみの風景から抜け出したという喜びが大きい。
移動速度が遅い自転車にとって、風景の変化というのはモチベーションに大きく影響する。
18時半頃、Chain Lake Provi
ncial Parkに到着。
ここではキャンプ場は23ドル。日帰りピクニックエリアで夕食を作り、だらだらと日記を書く。
21時頃、すっかり日が暮れた頃に日帰りエリアの公園の遊具の陰にテントを立て、夜を越すことにした。
RIMG1936
IMGP2634
RIMG1935

コメント

  1. スタートレックは30年前位にテレビで毎週していました。
    バルカン・・・ホントに地名としてあるのにびっくりです。
    スタートレックを毎回みていた僕にとっては是非行きたい処だが遠すぎる。
    あなたの旅行記で行った気に。・・・我慢します。

  2. 僕もケーブルテレビで放映しているな、というのは知っていたのですがそんなに前の作品作だったんですね。
    恐らくキャスト陣のものと思われるサインもいくつかありましたので、ファンの方にとってはやはり聖地なのでしょうか。
    これからもそういった、訪れた雰囲気を味わって頂けるような文章、写真を掲載できればと思います。

  3. 渓谷、凄いですねぇ!\(^.^)/化石発掘出来なくて残念でしたね(^^;本当に好きなんですね。恐竜。
    スタートレックは兄貴が見てましたよ(^^)
    相変わらず色々な人との出逢いが良いですね(^^)自転車も無事に直ったみたいだし。体の方も無事に治ったんですね…良かったですよ(^^;

  4. 化石は本当に残念でした・・・博物館で何か特設のイベントに参加しておけばよかったです。
    今のところ大きなトラブルもなく、本当に恵まれていると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です