Marsh Lake~Watson Lake 7月6日~7月10日(47日目~51日目)

7月6日。

8時起床。デヴィットとルーシーは二人で手作りクッキーを作っていた。
餞別としてクッキーと、「健康であれ」という願が込められた石を頂いた。
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僕からはこの旅での経験を必ずシェアすることを誓い、メキシコで再会することを楽しみにしていると伝えた。
彼らは冬の期間はメキシコの別宅で過ごすため、そこの住所を頂いたのだ。
滞在期間8日。彼らは僕のことを息子のようだと言って可愛がってくれ、僕も彼らの親切心に父と母のことを思い出した。
いざ出発。名残惜しく、何度か後ろを振り返る。彼らは僕の姿が見えなくなるまで手を振ってくれた。
彼らから頂いた食料、マウンテンバイク用のタイヤ等が加わり装備品は今だかつてない重さ。ペダルが重い。
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目の前には壁のような山が現れる。左手にはガソリンスタンド併設の商店。
ここを過ぎると家や店は姿を消し、深い森林を見下ろしながら走る道となった。
次第にペダルが軽くなり良いペースに。


快調に飛ばしていると前から来た車が窓を開けて手を振っている。
ホワイトホースでお世話になった櫛田さん!Uターンして戻ってきて下さった。
仕事でたまたまこの道を通っていらっしゃったようだ。
そしてこの先熊がいたとのことで、心配で戻ってきたとのこと。

櫛田さんが先導してくださり、後ろをびくびくしながらくっついて走る。

ふとバックミラーを見ると黒い物体が道路を横切っている。熊だ!初めて見た。
種類はブラックベア、大型犬くらいの大きさで思ったより細かった。
この先さらに熊の出現率は上がるというから、恐ろしい。
櫛田さんと別れた後、道は急激な下り坂に。坂の下に大きな橋が見える。
ジョンソンクロッシング、テスリン川だ。
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この日はこの橋の袂に住むデヴィットの友人、チップ・パットご夫婦のお宅にテントを張らせてもらった。
犬が2匹いたので遊んでいると、近所の放し飼い黒い大型犬、マックスが加わってきた。
大変に汚れたので、庭にある露天風呂に入れてもらい、晩ご飯までごちそうになってしまった。
7月7日。

8時起床。チップとパットは9時に仕事へと出ていき、家の中は僕だけとなった。
朝食と準備を済ませ、10時出発。
するとマックスが自転車に並走して追いかけてくる。
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可愛いなぁと思っていたが、ハイウェイに入っても追いかけてくる。
スピードを上げても後ろから懸命に追いかけてき、挙句は対向車線の車に轢かれかける始末。
結局5キロ程追いかけてきたところで我慢できなくなり、ヒッチハイクの要領で車を止め、マックスを車に乗せて家まで送ってもらうように頼んだ。

これでようやく安心して前に進むことができた。
道は特に特筆すべきことなく相変わらず森林を見下ろして進む。
途中の休憩ポイントで女性の自転車旅行者と出会う。
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名前はジョウィン、アメリカ出身で僕と同じくアンカレッジ発。アメリカにある自宅を目指し南下中とのこと。
ルートが一緒のため、この先何度も出会い、挨拶を交わすことになる。
海外では男性よりも、女性の自転車旅行者の方が多い気がする。
僕が出会った割合でいうと4:6で女性の方が多い。
15時頃、昨晩泊めていただいたチップが管理しているTeslin Tlingit Heritage Centerに着く。
ここではテスリンに住む先住民族の衣装や文化を学ぶことができる。
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チップに挨拶をして別れ、さらに進むこと1時間。

今度はJohnston Museumに入館。
ここではテスリンのカメラマンであるジョンストンが撮影した写真やその他展示物が数多く展示されており、昔のテスリンの模様を知ることができる。
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グリズリーの剥製が展示されていたが、このサイズに出会ったら死を覚悟するだろう。

この日はさらに走り21時ごろ、Marley Riverという川の川辺でキャンプ。
7月8日。

7時半起床。
この日は逆風でかなり辛い道程となった。
昼食後、ブリティッシュコロンビア州へようこその看板が。
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今まで走ったユーコン州を遂に離れることになる。
といっても、ここはちょうど境界線と並行しているハイウェイのため、この先しばらくはユーコン州をいったりきたりする。

しかしこの看板以降、山との距離が近くなった気がする。
上り坂も増えてきた。ひたすらにアップダウン。
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それでも足を付くことなく登り切る。
出発前の筋力トレーニングの成果が出ている。そして丈夫な足を与えてくれた母に感謝。
90キロ走ったところでContinental Divideに到着、小休止。
3ドル支払いWifiパスワードを購入するも何故か使えず。
ここでジョウィンに再開。彼女はハンバーガーとパイを購入していた。羨ましい・・・
この日はここから8キロ先のRarcheria Fall Recriation Areaに到着。
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ここでは小さいながらも滝を見ることができる。
滝から出るマイナスイオンを体に蓄え、更にキャンピングカーで旅行中のカナダ人老夫婦に車の中で晩ご飯をごちそうして頂いた。
短期ホームステイの効果だろうか、少しだが英語も上達したのかもしれない。
この日はここでキャンプ。

7月9日。

7時半起床。机も椅子もあり都合がいいので、朝の内に昼・夜ご飯の弁当を作る。
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調理している間、たくさんの人が声を掛けてくれ、中にはフルーツをくれた人もいた。

10時頃出発。道は相変わらずアップダウンが続く。
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ブリティッシュコロンビア州に入ってから山が近いと思っていたが、ふと後ろを振り返ると聳え立つ山脈。
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この間を通ってきたため、そう感じたのだろう。

しばらくして大きなヒルクライム。
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ここがこの旅行中で一番高い位置と思い、高度計を見ると970メートルほど。
角度がそこままでもないため、きつくはない。
50キロほど走ったところで昼食。ここでは女性に水を頂く。
70キロ地点でBig Creek Campgroundに到着。
ジョウィンにここで再会。彼女はここに泊まるようだ。
ここでは仕事をリタイアした記念旅行中のカナダ人夫婦に冷えたビールをもらう。美味い。
ここで晩ご飯を食べ、僕はさらに先へ。

途中で工事区間に入り、道は未舗装路と変わる。
ふらふら走っていると、後ろから来たバイクが「水は十分あるか?」と声を掛けてくれる。
水は十分持っていたため、感謝だけ伝える。
この日だけで4回の親切をもらった。なぜこの国の人はこんなにも親切なのだろうか?

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この日は100キロ程走ったところでキャンプ。
7月10日。

7時半起床。
ホワイトホース以来となる町、ワトソンレイクまでは22キロ。
ほぼ下り道のため快調に飛ばして10時半頃にワトソンレイクに到着。
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まずはビジターセンターへと向かう。
この町のビジターセンターは個性的で、道路標識で作られた森の中に建っている。
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ビジターセンター内には多少だが日本に関する展示物が置かれている。
この町が第二次世界大戦中、アメリカ軍に協力していたためだろう。
日本軍のガスマスク、アメリカ軍の寝袋等が展示されていた。

ここではWifiが使え、コーヒーも飲めるためブログ更新やその他所用を済ませ、16時頃にスーパーで買い出し。
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値段はホワイトホースと比べるとかなり高い。大型スーパーではないため仕方ないが、71ドルも使ってしまった。
この日はこれ以上走行せずにワトソンレイクのキャンプ場で宿泊し、明日以降の走行に備えることとした。
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次の投稿で触れますが、ここから先はメイン道路であるアラスカハイウェイを離れ、Cassiar Highwayという道路を通ることとなります。

コメント

  1. 読んでてハラハラしたりドキドキしたり、読みごたえあります。人との出会いや繋がりは奇跡のようですね。ワンちゃんの話は胸がキュンとなりました(^^)v

  2. ぜひともいろんな人に紹介して下さい

  3. 犬!いいですね!でも、どこまでも追いかけてくるとは(^^;
    展示物、凄く気になります。お面結構好きなんで(笑)熊は普通にウロウロしてんですね。景色が凄く出逢う人皆素敵だけど、熊だけは注意して旅してくださいねー(^^;

  4. お面はなんででしょう、僕も大好きです。
    熊は昼間はそうでもないのですが、夜寝るときが怖いです・・・

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